「薬剤師」は恐らく誰もが知っている資格です。
ですが、その仕事内容はよく知られていないのではと感じていました。
でも、少し前から「ドラマ観たよ。薬剤師って大変だね。」と知人に言われることが多くなりました。
私も観ました。ツッコミ入れながら楽しめました。きっと、医療ドラマを観るドクターや刑事ドラマを観る警察官と同じように。
そして知人達には「病院薬剤師さん程、調剤薬局はドラマティックではないけれどね。」と笑いながら返事していました。
調剤薬局のお仕事の大半はドラマティックではありません。
「薬局の薬剤師なんて、処方箋に書いてある通り薬を用意して渡すだけでしょう。」とも言われます。
はい、その通りです。
その処方内容が正しく、患者さんにお変わりがなければ。
保険調剤は一定のルールの下になされます。公的保険制度に基づくので、ある意味当然です。
たとえ目薬1本の処方箋でもルールに基づいた記載内容でなければ、処方元のドクターへの確認が必要となります。
記載されたお薬が他に受診されている診療科と重複している事や、過去に副作用がでた薬が処方されていたり併用が好ましくない薬が処方されている事もあります。
お話をしていて何気なく話された体調変化が、実は副作用では?という事もあります。
そのような場合もドクターへの問い合わせが必要です。これを「疑義照会」といいます。
疑義照会の結果、重複していた薬が削除になったり、副作用の恐れのある薬が変更になる事もあります。多くは時間を要しますが、ご納得いただける患者さんが殆どです。
ですが、このような副作用による健康被害のリスクがあるケースは本来はイレギュラーであるべきです。疑義照会率は処方箋枚数の2~3%といわれていますので、数パーセントのイレギュラーを見つけ、大半は「処方箋に書いてある通り薬を用意」する事になります。
もっとも、患者さんに正しくお薬を使って健やかに過ごしていただく為には「ただお薬を渡すだけ」ではいけませんので、繰り返し注意点をお伝えしたり、毎回併用している薬の有無や体調変化を確認させてもらう事にはなります。これも「いつも同じ事・・・」が大半かもしれません。
「何も(トラブルが)ない」事の為に薬剤師がいるのかもしれません。
ドラマティックでなくとも何気ない健やかな毎日を願って、明日も調剤室で過ごします。
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