思うところがあって、10年程前から雛人形を毎年飾っています。
私が生まれた時に両親が買った雛人形です。
昭和丸出し「○○荘」と呼ばれた文化住宅(という言い方は関西地方独特らしいですね。いわゆる木造2階建ての集合住宅です。)に所狭しと飾られていた雛人形です。
よく買った(買えた?)よね…と当時の両親の愛情というか思い入れのようなものを子を持つ身となって改めて感じたものの、随分前から飾られなくなり20年余り、押入れの肥やし(というのか?)となっていました。
七段飾りが大層なので「女雛と男雛だけ飾ろうかな」と言う私に、「他のお人形さんが可哀想じゃない?」と言った母。
嫌なこと言うね、そんなの聞いたらほおっておけなくなるじゃない…。(夜な夜な押入れから出できて女雛と男雛に集まる人形達を想像した私。)
さて、昭和の七段飾り。
何が大層かというと、雛壇の組み立て!スチール製なので、とにかく重い。年に一度のことなので組み立ての仕方も覚えられず、毎年ボロボロの説明書(エプロン姿のお母さんが何とも昭和…)を頼りに四苦八苦…。
何とか完成。
雛まつりは、桃の節句。
桃には魔除けの働きがあるとか。漢方でも桃は重宝されています。
桃の葉(桃葉)は、お風呂に入れて、あせもや湿疹等の皮膚トラブルに用いられます。
また、桃の種は「桃仁」と呼ばれる生薬となります。血の滞りをなくし血流や痛みを改善する作用(駆瘀血作用)、油分が豊富で便通を良くする作用(潤腸通便作用)があります。
桃仁は、月経痛等の婦人科系の不調に用いられる桂枝茯苓丸や桃核承気湯、高齢者の便秘に用いやすい潤腸湯に含まれています。
節句とは季節を分ける節目の事で、災いや邪気を払うお祭りをするようになったとか。
科学が発達していない昔、疫病や天災等の未知なるものから身を守りたい切なる思いの表れでもあると思います。ですが、新型コロナウイルスとの戦いが続く中、昔も今も変わらないなと感じる今日この頃です。
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