どこかでもお話しましたが、活字好きです。
子供の頃はお小遣いで買える本が限られるので、学校の図書室や地元の図書館を利用し、どうしても手元に置きたい本は(値段が手頃な)文庫本になるまで待っていました。
「大人になって自分で稼げるようになれば、ハードカバーの新刊を買える!」と夢見たものです。
大人になっても買えない、ハードカバーの本は重い…ことに気づくのにさして時間はかかりませんでしたが。
なので、いくつになっても図書室(館)は私にとって憩いの場であります。
その時々で読んだ本のいくつかのフレーズは、慰めになり、励ましにもなりました。
そんな私がタイトルに惹かれて手にした本が、「お探し物は図書室まで」(青山美智子著 ポプラ社)。
20代から60代の男女が、ふとしたことをきっかけに区のコミュニティハウスにある図書室を訪れ、司書さんのすすめる本をきっかけに変わっていく物語…。
「何をお探し?」
どこか温かみにある司書さんの言葉。そう、図書室で探しているのは本だけではないのです。
自分の中での探し物が見つかり、お礼を言う人達に司書さんはこう言います。
「作り手の狙いとは関係のないところで、そこに書かれた幾ばくかの言葉を、読んだ人が自分自身に紐づけてその人だけの何かを得るのです。」
そう、本の不思議なところ、優しいところですよね。
本の好きな人、日々の暮らしに疲れた人、何かを始める勇気を持てない人・・・是非読んでいただきたい一冊です。
著者の青山美智子さんの本を読むのはこれが初めてでした。
実はお名前を存じ上げなくて、図書館通いの知人(彼女は図書館のホームページの「おススメ本」を取敢えず予約するのです)から聞きました。
本屋の平積みや新聞(下の辺り)の書籍広告をチェックするのが習慣の私、知らない話題の本があるのが悔しくて、青山美智子さんの作品を検索して、この本にたどり着きました。青山美智子作品は、しばらくマイブームになりそうです。
知らない話題の本があるのが悔しい…と書きましたが、結構あります。
とても記憶が曖昧ですが、昔々読んだ本で図書館だったか本屋だったか(本当に曖昧…)を「中に入ると暗澹とする」みたいな表現(くどいけれど、曖昧…)をしているくだりがありました。
一生かかっても全てを読み終える事ができない、死ぬまでに読めるのは何分の1なのだろうか…と思うと、図書館や本屋はある意味愕然とする空間かも。知らないのも当たり前。
でも、その膨大な書物の中から「この一冊!」(人生を変えてしまうといっても大袈裟でないような)を見つけるワクワクした空間でもあります。
…明日の昼休み、図書館に行こうかな。
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