ヒトの科学!こんな教科書が欲しかった…「14歳からの生物学」

日々の暮らし

オランダで13歳から14歳に使われている生物の教科書の翻訳版です。
日本の教科書とは随分と内容が異なります。日本の生物の教科書と違い、ヒトの生物学・健康について多く記されています。
内容は「呼吸」と「栄養・消化」、「循環系」、「生殖」のユニットに分かれています。各ユニットにヒトの基本的な解剖生理学的知識、疾患の知識が書かれています。各ユニットで「まとめ」と「テスト」、巻末に「さくいん」まであります。

監訳者である松田良一先生は「はしがき」でこう述べられています。
「ハエやウニ、カエルの受精と発生については高校生物で習うがヒトの発生、妊娠と避妊、性感染症と予防については全く習わない。日本以外の国の高校生物教科書はこれらヒトの健康に最大の力点を置いているのとは正反対だ。」
…個人的にはハエの生殖だって興味あるのですが、他の生物の生態よりも自分の身体の仕組みを知るのが先かなとは思います。より実用的な事を学んでから、教養につながる事を学ぶ…でしょうか。

それに加え、薬物乱用・性感染症を含めた感染症・アルコールや煙草の害・避妊についても記されています。大人になる手前の子ども達が、生涯にわたり自分の健康管理を適切に行う能力を身につける為に必要な知識が詰まっています。
学校薬剤師としては、是非是非手にとってもらいたい一冊です。
何より、「家庭の医学」を愛していた中学生の私に贈りたい気分。
中学生だった息子の反応は「ふーん」だけで、どこまで目を通したかわかりません。ですが、この本がきっかけとならなくても、正しい知識で自分の身体を大切にできるようになってもらいたいと思っています。

大人の方も是非。
「栄養成分表示」「冠動脈バイパス手術」「子宮内避妊具」「身体的依存」「受動喫煙」「単純疱疹」「動脈硬化」「肺毛細血管」「卵細胞」…さくいんに記載されている用語です。いくつご存じでしょうか。
「14歳から…」ですので上限はありません。医薬品の正しい理解の為には、病気や健康への理解も必要です。これらの理解は、セルフメディケーションにつながります。

最期にチョッピリ宣伝?です。
Instagramを始めました(アナログな私が打ちのめされながらアレコレ手を出すお話は別の機会に)。そこで「U18おくすり質問箱」を始めます。
薬局で学校で…色々な場所で出会った子ども達の薬や健康の「なんで?」をご紹介していきたいと考えています。
小中高生の薬の疑問や大人が返答に困ったチビっ子達の薬の「なんで?」も募集中ですので、InstagramのDMやこちらのコメントへお気軽にどうぞ…。

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