薬局いろいろ ~調剤薬局のマイナールール?あるいはPTPシートの落とし穴~

薬局から

転職して数か月が経ち、新しい職場の雰囲気に慣れてきた今日この頃です。

基本的な業務は同じであるものの、薬剤の保管場所は違いますし、処方箋に記載されているお薬の集め方、粉薬や水薬の作り方、お薬の在庫管理…等々、それぞれの調剤薬局でルールがあります。

また扱う処方箋の診療科(内科?皮膚科?耳鼻咽喉科?小児科?…等々)や患者さんの年齢層(子供が多いか、お年寄りが多いか…等々)、地域(個人的な印象ですが、関東と関西、同じ関西でも府県が違うと患者さんとの距離感が変わってきます)によっても、対応が変わります。

さて、恐らく大半の患者さんに「どうでもいいやん(関西弁)」と思われるにも関わらず、真面目でこだわりの強い人が多い(あくまで主観ですが)薬剤師が気にする事の一つに、錠剤(PTPシート)の揃え方があります。

例えば、PTPシートの重ね方。

←両面を表にして重ねる場合。患者さんにお見せしやすい。

同じ面で重ねる場合。PTPシートの枚数のチェックがしやすい。→

表面を内側にしてしまう場合。調剤ミスを防ぐ監査システムがある場合。バーコードをかざしやすい。↓

そして錠数の揃え方も。例えば「1日3回 毎食後に1錠 7日分」→21錠の場合。

普通に考えると10錠シート2枚と1錠。→

でも、こんな形でお渡しする薬局が多いかも。↓

10+5+6=21、10+4+7=21、10+3+8=21…つまり、1錠だけでお渡しするのを避けています。

1錠だけでお渡ししてしまうと、止めている輪ゴムを外す時に飛んでしまって見つからず「お薬が足りない!」という状況になりやすいし、小さい為にお薬を取り出しにくい事も多いです。

そして、何よりも1錠だけのPTPシートをそのまま口に入れてしまう方がいらっしゃるのです!

最初にその話を聞いた新人の頃、「そんな事ってある?」と思いました。「まさか~、そのまま飲み込んじゃうなんて。」と思われる方も多いのではないでしょうか。
しかし、薬を取り出さずにPTPシートのまま飲み込んで、喉や食道などを傷つけてしまう事例が実際いくつか報告されています。
現在、殆どのPTPシートは一方向にしかミシン目はなく、1錠ずつ切り離せない構造になっています。
私も使用期限や在庫状況の関係でどうしても1錠切りでお渡しせざるを得ない場合以外は、最低2錠のPTPシートで錠数を揃えるようにしています。

ですが、患者さんが「余ってる薬があるけれど、何の薬?」と、ご持参くださる時はバラバラ↓・・・だったり。

ですので、随分前から問題提起されている話だし、周知されているなら目くじらたてる事もないのかな・・・と思っていたところに、少し前に誤飲事例が報告されました。

PTPシートの誤飲(第3報)
医療安全情報No.57(2011年8月)および医療安全情報No.82(2013年9月)、PTPシートを誤飲した事例を取り上げました。その後、類似の事例が52件報告されています。そのうち、32件は看護師がPTPシートのまま患者に渡した事例です。(集計期間:2016年7月1日~2021年6月30日)

日本医療機能評価機構 医療安全情報(No.177 2021年8月)

今回は入院中に看護師が薬剤をPTPシートから取り出さずに患者さんに渡し、患者さんがシートのまま誤飲してしまった事例が取り上げられていましたが、いくつかの事例から年齢や認知症状の有無とは関係なくPTPシートの誤飲が起こり得ることがわかります。
大半の患者さんに「どうでもいいやん(関西弁)」と思われる ・・・と書きましたが、ご本人やそのご家族には注意していただきたい事になりそうです。特に、ご高齢の方には場合によっては一包化(服用するタイミングが同じお薬や、1回に複数個服用するお薬を1袋ずつパックにすること)をおすすめした方が良いかもしれません。
やはり、1錠でのお渡しには気をつけていきたいと考えています。

・・・話戻って。
その他色々、薬局ごとにルールが違います。(勿論、法令遵守の上ですが。)薬局の特性に応じて「より早く、より正確に」患者さんへお薬をお渡しして「安全に」服用していただく為の工夫で、どれが正しいという話ではありません。
ですが、管理薬剤師をしていた30代の頃は「前の薬局ではこうしていた!」と主張する薬剤師と「ここでのやり方はこれ!」と憤る他の薬剤師達の間に入るのも仕事の一つでした。今より転職や店舗間異動が多かった頃は、こうした衝突が少なからずありました。

どれが正解という話ではないので「主張」なんてしませんが、久しぶりの転職で新たなルールが新鮮でした。
いくつになっても新しい気づきに敏感でいたいと思っています。

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薬剤師A

漢方を志す、子育て卒業間近の薬剤師。
製薬会社から調剤薬局・学校薬剤師を経て今にいたる。
京都府内の微妙に田舎な地で家族3人暮らし。
興味の赴くまま、あちこちに出没します。

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