実家から生姜が沢山届きました。
茎の付け根が紅色をしている「新生姜」は初夏に出回りますが、生姜(根生姜)の旬は実は秋だそうで。いつになく沢山送られてきて(豊作だったのかしら)、初めて気がつきました。
さてこの生姜、多数の優れた成分をもつ食材で、発汗・消化促進・殺菌…等、様々な作用が期待できます。薬膳でも風邪のひき始めや消化器の不調に用いられる食材とされています。
そして、生薬としても用いられます。
生の生姜を乾燥させてものは「生姜」、生姜を湯通し又は蒸して乾燥させたものは「乾姜」と呼ばれ、使い分けされています。
生姜はその辛味成分により食すると「温かい」と感じ、いわゆる温活の代表的食材ともいえますが、漢方で生の生姜(ショウキョウ)を使う主な目的は吐き気や食欲不振の改善です。悪心・嘔吐(つわりにも)に用いられる小半夏加茯苓湯や二陳湯等に含まれています。また、体表の寒(≒寒気)を散らし、発汗を促進させる作用もあり、風邪のひき始めに使われる事が多い葛根湯等にも含まれています。この時の「温め」の効果は、体表面に限られています。
対して、熱を加えた生姜(カンキョウ)は体を中から温める作用が強い生薬です。胃腸の冷えている下痢や便秘、腹痛等に用いられる人参湯や大建中湯、下半身の冷えを改善する苓姜朮甘湯等に含まれています。
食材として用いる場合でも、熱を加えた方が温めの力が増します。体の中から冷えているなと感じる時は、温かいスープやお味噌汁に加えると良いです。(ただし、更年期症状の一つであるホットフラッシュ等のほてりや寝汗を含め汗をかきやすい人は摂りすぎにご注意下さい。)
逆に、吐き気がするような胃腸の不調には生のままで。つわりで辛い妊婦さんには、生姜のしぼり汁を冷たい水と一緒に飲んでもらうと良いです。
さて、実家の生姜。沢山あるので保存の意味合いも含めて、乾姜(あくまで、モドキですが)を作りました。
薄切りにして、圧力鍋で加熱。
水気をきり、日干しに。
出来た!
紅茶に加えたり、料理に用いたり…と、色々使えますが、私は以前作った陳皮(蜜柑の皮を干したもの。→冬の定番?柑橘の香りと共に)と一緒にほうじ茶に入れていただきました。
ほうじ茶にも体を温める作用があります。ほうじ茶・乾姜・陳皮の香りでほっこりした気分に。
気温が日に日に下がってくるこの季節、体の中から温まりながら冬に備えたいですね。
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