冬の定番?柑橘の香りと共に

漢方

実家から蜜柑が届きました。我が家にとっては、冬のお約束です。

みかん

蜜柑はビタミンCやβ-クリプトキサンチン(カロテノイドの一種で、必要に応じて体内でビタミンAに変わります)が豊富で、肌荒れや風邪予防に効果があると言われています。
薬膳では気や血の巡りを良くする食材とされ、胃を丈夫にし、喉や胸のつかえに用いられます。

また、実についている白い筋状のものもペクチン等の食物繊維や、ヘスペリジンと呼ばれるポリフェノールが豊富なので、一緒に摂りたいものです。

そして皮。
実家の蜜柑は無農薬(良く言えば…。要は手をかけていない、手間をかける余裕がない…)なので、抵抗なく干してみました。

蜜柑の皮 天日干し
before
after

干した皮は、お風呂に入れても良し、茶葉(緑茶・ほうじ茶・紅茶等)と混ぜていただいても良し・・・。
鍋料理の薬味に使っても良いそうです。一味・山椒・胡麻等々と合わせて、オリジナル七味(7つになるかどうか…)を作ってみようかな。

蜜柑の皮を干したものは「橘皮きっぴ」と呼ばれる生薬になります。
そして、乾燥後1〜2年経たものは「陳皮ちんぴ」と呼ばれ、古い方が良いものとされています。
陳皮には吐き気を抑え消化を助ける健胃作用、炎症を抑える作用があります。また、余分な水分をとり痰を外に出す働きもあります。
この陳皮は、胃酸過多や胸やけ・吐き気等の胃腸のトラブルに用いられる「茯苓飲ぶくりょういん」や気分がすぐれない・ふさぎ込む等の精神症状の緩和や食欲不振等に用いられる「香蘇散こうそさん」に含まれています。
ちなみに、香蘇散は紫蘇のお話(「しそジュースを作ってみた!」)の時にも登場した方剤で、食べ物による蕁麻疹にも用いられます。
1つの方剤で色々な用いられ方をするのが、漢方薬の面白いところかもしれません。

こちらは庭のレモン。8年前にホームセンターで買ったものの、最初の数年は花さえ咲かず…でしたが、3年前ぐらいから実が増えてきました。

庭のレモン

レモンはビタミンCやクエン酸が豊富で、美肌効果や疲労回復効果が期待できます。
薬膳では、潤いを与え、熱を冷まし、消化を助け食欲を増す働きがある食材として、喉の渇きや吐き気、空咳等に良いとされています。

そして、金柑も色づき始めました。

庭の金柑

金柑もビタミンCや β-クリプトキサンチン 、ヘスペリジンが豊富に含まれています。
薬膳では、咳や痰を鎮め、健胃・整腸作用のある食材として用いられています。

総じて柑橘類には、「理気りき作用」があるといわれています。
理気作用とは、巡りの悪くなった気を整える作用のことです。
気・血・水について以前にお話させていただきました(「中医学 事始め③」)が、気の巡りが悪くなり停滞してしまうと、イライラしたり、喉のつまりやお腹の張りを感じたりします。ケアをせずに放置してしまうと、血や水の巡りも悪くなり血行不良やむくみが起きることもあります。

気忙しいこの季節はストレスが多いもの、そして日照不足の冬場は鬱々しがちです。柑橘類をうまく取り入れて、リラックスできるといいですね。

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