漢方的?収穫体験 大和当帰葉を楽しみつつ考えたこと

漢方

梅雨前のお天気の良い日に、以前に“大和当帰湯もみ作業見学”(「大和当帰に触れて学ぶ ~大和当帰湯もみ作業体験に行ってみた!」)でお世話になった佐藤薬品工業さんのイベントへ行ってきました。

今回は“大和当帰の葉摘みと苗の選別&ジャンボニンニクの収穫作業体験”です。

ニンニク…皆様ご存じの疲労回復・強壮が期待できる食材です。生薬としても(大蒜たいさん)用いられます。
スコップをさし、テコの原理で持ち上げて掘り起こします。

ちなみに、硬くなった茎の部分からもニンニクの良い香りがします。
庭のレモンリーフ(「季節外れの剪定で、レモン葉の使い途を考える」)と共に、茹で鶏を作る時に薬味として使いました。

そして、大和当帰葉。

セロリに似た香りに包まれながらの葉摘みです。
好みが分かれますが、私には癒しの香り。

生薬としての当帰は、根の部分を用います。
薬なので、厚生労働省の管轄。定められた基準を満たすことが要求されます。

一方、「非医」扱いで食材として用いることが可能となった葉の部分は農林水産省の管轄。
和のハーブとして、肉魚料理・天ぷら・お茶・調味料等々、様々な場面で使われるようになってきました。
我が家イチオシの“大和当帰葉十味”(「お気に入りの薬味から生薬を考える 〜当帰について〜」)もその一例です。

「好きなだけどうぞ」と言われるまま摘み取らせていただいた大和当帰葉。
手にするのは初めてでした。

早速、その日の晩は大和当帰葉のサラダ、ニンニクと大和当帰葉のアヒージョを。
自画自賛ながら、美味すぎ!!

残った大和当帰葉は、一部は冷凍後に細かくして、スープなどに。
他は、乾燥させました。

自家製薬草茶、構想中です。

他の生薬と同様、国内で使用されている当帰の約8割は輸入品でまかなわれています。
安価な中国産の流入と栽培者の高齢化で、平成の世に入った頃から当帰の栽培面積は激減しました。
最近になって栽培面積はやや広がっていますが、生薬の生産量は横ばいだそうです。
理由は、この当帰葉。
生薬としての根を収穫するには3年の月日を要しますが、葉の収穫は年に数回行えます。
復活した当帰畑の殆どが、葉の収穫が目的であるのも仕方のないことかもしれません。

医薬品の供給不足が問題になって早や数年。
西洋薬も漢方薬も、原因の一つは原料の輸入頼みです。
そうした状況の打開策として、又は地元の産業の発展のために、各地で生薬の国内栽培が試みられています。

こちらの圃場でも大和当帰の他に、大和芍薬や生姜等の栽培が行われているそうですが、ネックになるのはコスト高だそうです。
コストの中で大きいのが人件費。
生姜も人を雇っての栽培となると、かなりの金額になるとか。
「農家の方は、人件費0みたいなところがあるから」というお話が印象的でした。
私達がスーパーで目にしている野菜や果物の価格は、そうした農業に従事されている方のご苦労で成り立っているのだと思い知らされました。

そうした社会の仕組みに知らぬふりをせず、国内産生薬の行方を見守りたいと思います。

最後に、いただいた大和当帰の苗。
帰宅後すぐに、プランターへ。

数本いただいたのですが、この子が一番元気かな。
きちんと根付くように、根がしっかりした丈夫そうな苗を選んでいたのですが、高品質の当帰(根の部分)を収穫するなら、根の細い苗が良いそうです。でないと、葉ばかり育って、根が太らないとか。
私は葉が育ってくれたら充分ですが。
…大きくなってね。

コメント

  1. 先々週末、奈良(正確には橿原)に行ってました~。
    そんなイベントがあったら参加したかった~って思いましたが、調べてみたらイベントは、ほぼ平日なんですね…。
    いつか、日程があったら参加してみたいです(*^^)v

    • 薬剤師A 薬剤師A より:

      ありがとうございます!
      ご近所まで来られていたのですね(^o^)
      こちらのイベントは水曜日か木曜日のようです。
      運転に自信のない私も、自分の仕事と夫(は運転手)の仕事が休みの時しか狙えません(^_^;)