我が家のクスリ箱④(番外編) 板藍根について

漢方

コロナ禍でセルフメディケーションの意識が高まったと言われています。緊急性の低い症状は市販薬を使って経過を見る、必要に応じて受診する・・・そうした工夫を身につける事が大切だと思います。応急処置に使う救急箱に常備するお薬は家族誰もが使えるもの、汎用性の高いものが理想です。そうした意味でも漢方薬はおすすめです。

以前に救急箱に入れておくとよい漢方薬をご紹介しました。(「救急箱にも漢方薬を 常備しておきたい漢方薬は?」)我が家の救急箱にも漢方薬がいくつか入っています。
今回は趣向を変えて板藍根ばんらんこんのお話です。

板藍根
板藍根

板藍根とは?

板藍根はホソバタイセイ等、藍染の原料に用いられる植物の根を使った生薬です。
清熱解毒(熱を冷まし、炎症を抑える)の働きがあります。
生薬ではありますが、日本では医薬品として管理されている生薬からは外れています。「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(=薬機法)上は、「健康食品」の扱いになります。

どんな時に使う?

抗ウイルス作用・抗菌作用・解熱消炎作用を有することから本場中国では、風邪やインフルエンザ・耳下腺炎・扁桃腺炎等の予防や治療に用いられています。

日本国内で「健康食品」として流通されている製剤も風邪の予防や喉の不調に用いられることが多いです。
含量が健康被害の恐れのないレベルであることも「健康食品」の特徴ではありますが、中国では「薬」として扱われる生薬です。各々の商品の使用方法を守ることが大切です。中国等の現地で調達した商品も注意が必要です。
エキス剤等でなく、生薬を煎じて使う場合も同様です。板藍根は身体を冷やす作用のある生薬ですので、冷えのある方が長期に煎じて服用するのは避けた方が良いでしょう。

最後に・・・我が家の場合

板藍根、我が家ではニューフェイスだったりします。
昔に読んだ小児科の先生の著書(題名は完全の忘却の彼方…)に「風邪のひき始めは板藍根で事足りる」という一節があり、ずっと前から気になっていたのですが手に入れる機会を得ずでした。
当時はネットで気軽にお買い物ができず、何より他の工夫(桔梗湯等)で事足りていたのも要因なのですが。その間に生薬をいただく機会があったものの、いつか煎じて味見しようと思うだけで今にいたっていました。

ところが、「口内炎にもいいのに」という先輩薬剤師の言葉に火がつきました。
そうです!先程お話しした感染症の他に、歯肉炎や口内炎等の化膿性・炎症性疾患にも応用されます。エキス剤を溶かして、うがいしながら飲むと良いそうです。


別の機会でお話ししたいと思っているのですが、私は口内炎がらみにはウルサイのです。子供の頃から頻繁に口内炎で泣かされているからです。色々なもので試行錯誤を繰り返し、今に至っています。
只今、お口の中で2個ほど拡大を続けています。チャンス到来?です。

マツウラ バンラン根エキス
イスクラ 板藍のど飴

板藍根はエキス製剤の他に、のど飴やお茶タイプのものがあります。
写真のエキス製剤は、ほのかなキャラメル風味でした。お子さんにも使いやすいと思います。
のど飴もレモン風味で口にしやすかったです。レモンキャンディーの美味しさを期待してはいけませんが、むしろ食べ過ぎる心配のない味かも。

薬を飲む程ではないけれど…という時に使ってみたい製品です。
薬を使わない・お医者にかからない…これこそ漢方の上策です。

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