超独断ですが… 本好きの為の読書道ともいえる本3選

日々の暮らし

今日4月30日は「図書館記念日」。
私にとって、図書館はとても居心地の良い場所です。学校で一番思い出深い場所も図書室でした。
無数の本に囲まれて、あれこれと読む本を物色するワクワク感。
だけど全て本が読める訳ではない焦燥感。
図書館記念日に、本好きを語る本のご紹介をしたいと思います。

その①「図書館戦争」

漫画化・映画化もされて、今では本好きでなくても知っている本。
どんどん有名になっていくのを、「でしょ~、面白いよね」と勝手に誇らしく思っていた私(^^;)。

公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を規制する為の「メディア良化法」が制定された架空の日本のお話。
これにより「不適切」とされた創造物(書籍を含めて)が検閲を受けます。
行き過ぎた弾圧に対抗すべく結成された図書隊。
この本を読んだ時に、昔読んだ芥川龍之介の本の一部が削除されていたことを思い出しました。
表現方法は時と共に変わります。昔のドラマを観ても、当時の認識の誤りや「今ならアウトな表現かも」と思うことがあります。
だから世に残さない方が良いのか、敢えて世に残した方が良いのか…難しい問題ですね。
それでも自由に本を楽しめる世の中は平和だと思います。

難しいことを抜きにしても、「大好きな人と本を守りたい!」の思いが詰まった、超甘~いラブストーリーが楽しめます(^^)/。

その②「その本は」

本好きなのに歳と共に目が見えなくなった王様が、世界中の「珍しい本の話」を集めさせて、語ってもらうお話。
本の「千夜一夜物語」っぽいと思ったのは、私だけかしら。
結末も含めて、何だか温かくも不思議な物語でした。

その③「本を守ろうとする猫の話」

この本はもう、圧巻でした。
ここ数年の読書で一番心に残った本かもしれません。
著者の夏川草介さんの読書歴には「神様のカルテ」を読んだ頃から圧倒されていましたが、本書ではそれを上回る名作が登場しています。勿論、それら名作を読んでも読まなくても十分楽しめる物語です。(私も半分ほどしか読めていないかな…。)

古本屋を営む祖父に育てられ、本と共に育った主人公。祖父亡きあと、面識のない叔母に引き取られるべく、本の整理をしていた彼は人語を話す不思議なトラネコと出会い「本を守る」旅に出ます。
ただ本を集めるだけの男。
本の要約だけで済ます男。
消耗品としてしか本を扱わない男。
そんな男達から、主人公は本を守ろうとします。
その度に主人公は本について語る亡き祖父の言葉を思い出します。

「ただがむしゃらに本を読めば、その分だけ見える世界が広がるわけではない。どれほど多くの知識を詰め込んでも、お前が自分の頭で考え、自分の足で歩かなければ、すべては空虚な借り物でしかないのだよ。」


「読書には苦しい読書というものがあるのだ。(中略)愉快な読書もよい。けれども愉快なだけの登山道では、見える景色にも限界がある。道が険しいからといって、山を非難してはいけない。一歩一歩喘ぎながら登っていくこともまたひとつの登山の楽しみだ。」

…主人公と同様に学校生活よりも本の世界に没頭していた思春期の私、この歳になって今更難しい作品を読むことに時間を費やすよりも平易な文章で物語も楽しみたいと思っている今の私に刺さる言葉でした。

「神様のカルテ」はひたすら優しい作品でしたが、こちらは優しくも厳しいお話だと思います。
そして、主人公がたどり着いた答えこそが、今まさに私が息子を含めて子ども達に本をすすめたい理由でもあります。

「本はもしかしたら“人を思う心”を教えてくれるんじゃないかって」

主人公の歳と同じ頃の私はそんなこと考えもせず、ただ本が好きで、空想の世界でフワフワ生きていたようなものですが(^^;)。

連休中に、一冊いかがでしょうか…?!(^^)!

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