お祝い御膳と甘夏で、春の養生を考える

漢方

結婚記念日に美味しい物を食したいと思ったものの、まん延防止措置で飲食店は短縮営業…なので、仕出し料理を頼んでみました。
息子のお宮参り(遠い日の花火だ…)の祝い膳やお寿司の出前(最近はコストパフォーマンスの良い「銀の○○」に押され気味だけど…)をお願いしていた、地元ではそれなりに名の知れた仕出し料理屋さんです。

春の御膳をお願いしたら、我が家の小さなテーブルいっぱいに。

仕出し料理 甚八 春の御前

土瓶蒸しも。中身はハマグリ他。

仕出し料理 甚八 ハマグリの土瓶蒸し

随所に春らしさを感じる食材…ふきのとう、筍、苺、山菜が使われていました。どれも美味〜。
「魚は刺し身!」の私ですが、赤魚の幽庵焼きは意外な美味しさでした。
苺の寒天ゼリーもソース(苺)が濃厚で、最後まで楽しめました。

ふきのとうや筍の他、春の野菜は独特の風味(苦味)があります。
春の養生の一つは苦味を楽しむこと。冬場にたまった老廃物を流すことになります。

また、草木が芽吹く春は陽気が高まるので、のぼせやほてりを感じることも。
苺は体の余分な熱を冷まし、体を潤すといわれています。

さて、我が家にも季節の食べ物が届きました。実家の甘夏です。

甘夏

「夏」とついていますが、甘夏の旬は春先から初夏です。何年も実家の畑でできたものを食べているのに、ずっと夏蜜柑と混同していて「うちの夏蜜柑は時期が早いな」と思っていました。甘夏は夏蜜柑の変種で、夏蜜柑より酸味が少ないそうです。(今更、何言ってんだか…。)

酸味は「肝」の働きを助けます。
漢方でいうところの「肝」は血液の貯蔵や感情のコントロールを担います。
(「中医学 事始め④ ~西洋医学の解剖図がなじんだ頭に、東洋医学の五臓六腑がしみわたるまで~」をご覧ください。)
春の養生では「肝」のケアが重要です。
春は、朝晩の気温差で自律神経の働きが乱れがちです。また、卒業・入学・就職等の環境が変化しストレスを受けやすい季節です。これらは「肝」の不調につながります。

「肝」は五行では「木」に属します。
「中医学 事始め② 〜世界は陰陽五行でできている?〜」をご覧ください。
「木」の性質は樹木のように「生長・伸長」することなので、「肝」ものびのびすることを好みます。
心と体をゆるめて、のびのび過ごすことが大切になります。

週末はゆったりした服で、甘夏と香りの良いお茶をいただきながら、のんびり過ごしたいと思います。


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