薬膳茶…。
煎じ薬のイメージがあって、なかなか手がでにくいのですが…。
薬膳は、「薬食同源」「医食同源」ともいわれる通り、季節や食べる人の体調に合わせて食材や生薬を組み合わせた料理です。
食材や生薬は中医学の理論に基づいてセレクトされます。この理論に基づいた献立であれば、普段目にする食材で作った家庭…料理もれっきとした「薬膳」です。
「薬」とつくので、何やら独特の風味を想像しがちですが、食事によって健康を保つのが薬膳の目的です。食欲を損なうような美味しくいただけないものは薬膳とはいえません!
薬膳茶も然りです!!
…という訳で、目に良いといわれている菊花と枸杞子(クコの実)のお茶を試してみました。
菊花:平肝明目(肝の機能を調節して、目の働きを回復させる)
枸杞子:養血明目(肝の血を補い、目の働きを回復させる)
漢方でいうところの「肝」は、血(血液を含む栄養分)を貯蔵し、気・血・水の巡りをコントロールして精神状態のを安定させます。
肝は目と深い関わりのある臓器ですので、肝の不調は目のトラブル(充血・眼精疲労・目のかすみ等)を引き起こしますし、目の酷使(特に夜のスマホ)は肝の血を消耗させます。
そう!仕事でパソコンのお守りばかりしている夫と活字中毒な私にはピッタリのお茶です。
ただ、ちょっと香りが…。
お味は酷くはないのですが、楽しめる程では…。
そこで大棗(ナツメ)を加えてみました。
…なんと、独特の香りが消え、ほのかな甘味で飲みやすい。これなら、美味しくいただけます!
大棗は脾胃(≒消化器)を養い、血を補い、心身を安定させます。
そして、作用の強い生薬の副作用を緩和し、脾胃の損傷を防止し、味を矯正します。この特徴から、多くの方剤に加えられています。
…味の矯正!流石、大棗!!
今回はいかにも“薬膳”なお茶をいただきましたが、生薬を使うばかりが”薬膳”ではありません。
蜂蜜を入れたミントティー。
シナモンを加えた紅茶。
黒糖を加えて豆乳で割ったほうじ茶。
…その時の体調に合わせてのセレクトなら、立派な薬膳茶ですね。
自分の身体の声に耳を傾けて、美味しく健やかな毎日を…。
※ここでいう「血」「腎」「肝」「脾」は、中医学(漢方)の考え方で、西洋医学でいわれる「血液」「腎臓」「肝臓」「脾臓」と同じではありません。興味のある方はこちら↓をご覧ください。
中医学 事始め③ 〜人の身体は気・血・水で動いている?(気血水弁証)〜
中医学 事始め④ ~西洋医学の解剖図がなじんだ頭に、東洋医学の五臓六腑がしみわたるまで~
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