かねてより興味のあった、武田薬品さんの薬用植物園。行ってまいりました。

ガイド形式で、園内を見学させてもらえます。
まずは、中央標本園の水生植物コーナーのサジオモダカ。

この塊茎(茎が変形し、栄養をためる貯蔵庫になったもの)が沢瀉。
身体の中の余分な水をさばく作用があります。これから湿を溜め込みやすい季節に大事な植物ですね。
その合間に見えた白い泡の物体。モリアオガエルの卵塊です。
孵化してオタマジャクシは泡から水の中に落ちていくそうで。
上を見上げると、近くの木にも…。

…生き物万歳
続いて牡丹(左奥)と芍薬(右手前)。

見頃は終えていたのですが、少し芍薬の花が残っていました。
花だけですと見分けがつきにくいのですが、芍薬は“草”で牡丹は“木”です。
生薬も、芍薬は根全体を使う(奥)のに対して、牡丹(牡丹皮)は根の皮を使う(手前)ので真ん中が空洞になっている…と教えていただきました

…生薬学の試験の時に知りたかったよ。
そして、当帰・地黄・川芎。



当帰と合わせて、四物湯ですね。
四物湯は血虚(貧血や栄養状態が悪い)を治す方剤で、多くの方剤のベースとなっています。
温室もありました。ガイドの方のご専門はこちらだそうで、「ここだけで2時間話したい!」とも。
これ、バニラの木になった実。

高級食材のバニラビーンズはこれから作られます。
木や実そのものから、あの甘い香りがするのではないのですね。
国産化に向けた研究をされているそうです。
…私も2時間お話してもらいたかった
そして、お目当てだった漢方処方園。
漢方処方の構成生薬を薬用植物で栽培・展示されています。
手前が「葛根湯」奥が「桂枝湯」の花壇。

「麻黄という生薬が入っている葛根湯は、実は注意が必要ですよ」とガイドの方。
…もっと言って、言って。
こちらは「四君子湯」と「六君子湯」の花壇。

四物湯が血虚の基本方剤なら、四君子湯は気虚(エネルギー不足)の基本方剤。脾胃(≒消化器)の機能低下に用いられます。
四君子湯に水(痰湿)をさばく陳皮と半夏を加えたのが六君子湯です。
続いて香辛料園、民間薬園へ。

これ、セイヨウシロヤナギ。
中世にはドイツや南ヨーロッパ、南アメリカで熱や痛みの緩和に、民間療法に利用されており、この樹皮から抽出された化合物から作られたのがアスピリンです。
…この業界?では有名な話。
最後に案内していただいたのが、一歩間違えれば毒となる“有害植物”の一角。

ジキタリスの花。
葉、花、茎、根、種子に至るまで毒性があり、誤食事故もあるそうです。
この植物の成分から“ジキトキシン”・“ジゴキシン”と呼ばれる古典的な心臓のお薬が登場しました。
…これも、有名な話。多分。
用量設定の難しい薬で、まさに「毒にも薬にもなる」植物です。
「毒にも薬にもなる」植物といえば、これも。

トリカブト。事故や事件でワイドショーで取り上げられることも。
生薬名は附子。
そして、初めて目にしたのが、このドクニンジンの花。

毒にんじん。初めて知ったのは、中学校の図書館で。
当時、何故か毒物絡みの本にハマり、「毒のある人参?」とゾワゾワしながら読んだ記憶。勿論、食する人参とは違う科であるのですが。
…思い出話はさておき、他にも沢山の植物の説明をしていただきました。
そして、まだまだ周りきれていないエリアも。何度も参加されている方がいらっしゃるのも納得です。
「楽しかった!また行きましょうね」と、今回連れて行ってくれた職場の薬学友。
友と呼ぶのはおこがましい、娘と言ってもおかしくない薬学生に感謝です。
勉強、頑張ってね。
そして、また息抜きに遊んでやってね。

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