友人の誘いで薬膳ランチに行きました。
奈良市にある台湾・薬膳料理饌 Chua’n(チュアン)というお店です。
薬膳は、「薬食同源」「医食同源」ともいわれる通り、季節や食べる人の体調に合わせて食材や生薬を組み合わせた料理です。、食材や生薬は中医学の理論に基づいてセレクトされます。この理論に基づいた献立であれば、普段目にする食材で作った家庭料理もれっきとした「薬膳」です。
現代医学(西洋医学)に対して中医学(漢方又は東洋医学)が語られるのと同じく、栄養学(西洋医学)と対になるのが薬膳(東洋医学)と考えてよいでしょう。
漢方を知る前は「薬膳」という響き、生薬を使っていることから「身体にいいけれど美味しくないのでは?」と思っていました。
でも、食事によって「気(≒エネルギー)」を充実させて健康を保つのが薬膳の目的とするなら、食欲を損なうような美味しくいただけないものは薬膳とはいえない!とも物の本に書いてあり・・・。
そんな中でのお誘いに乗らない手はない!!
さて、Chua’n(チュアン)。
さりげなくアジアンテイストな落ち着いたお店です。
最初に出てきたプレート。
カボチャ・小豆・ブロッコリー・からし菜・鶏肉・ナッツ…。お腹を温め、気を補って巡らし、余分な水を排出させる食材が盛り沢山です。
一緒にだされたドリンク、食前酒っぽいですがアルコールではなく、丹参(余分な熱を去り、血の巡りを良くする生薬)・黄耆(気を補い、汗を止める生薬)・山査子(消化を助ける生薬)・烏梅(口の渇きを止め、吐き気や下痢を改善する生薬)等々(他は忘れちゃった。折角説明してもらったのに…。)が入った飲み物です。煎じ薬の味に打ちのめされたことのある私でも美味しくいただけました。
このプレートの後が目玉?の薬膳スープです。このお店は、店主さん(だと思う)がお話にこられ、その人に合ったスープを出してくれるのです。
私の友人にこのお店を紹介した方は、「あなたは血が足りない!」と言われたたとか。補血の食材のスープだったのでしょうか…。
そして私達。
「甘い物、沢山食べるでしょ?乳製品も良くないよ。」と言われた友人。(確かに彼女はどっちも好き…。)そして、「血の巡りと腎に注意ね」と。
出されたスープ、阿膠(ロバの膠。コラーゲンたっぷり。)入り。血を補い、血の巡りを良くするものらしい。
そして、私。私の顔を見て「あんまり寝てないでしょ?脾と肝を何とかしなくちゃ。」と。
確かに胃腸はお疲れモード。床についた後の寝付きは悪くないけれど、心のどこかで寝たくないのか、夜中にあれこれ動いてしまいます。当然寝不足。これも春の「肝」の昂りでしょうか。
出されたスープは胃腸の機能を高めるものらしい。
食材の風味が生かされた優しい味です。友人は「穏やかな味」と言っていました。
化学調味料は勿論のこと、塩・醤油・出汁を極力控えると、シャープな味が陰をひそめるのでしょうか。新鮮な美味しさです。
美味しいし、養生にはもってこいだから、それで良し・・・なのですが、店主さんはどこで判断してスープを決めているのかな。体格、顔色、話し方…でわかるのでしょうか。
結構合ってると思えるのは、店主さんのカウンセリングの技かしら。(勿論、良い意味です。日常生活を振り返り、養生を考える良い機会になりましたので。)
最後にデザート。
亀ゼリー(左)と白きくらげ(右)のデザート。どちらも食するのは初めて。
亀ゼリー(亀笭膏)は、亀のお腹側の甲羅と生薬を煮込んで作ったものです。余分な熱をとり、美肌や吹き出物を防ぐ働きがあるといわれています。
・・・甘くてほろ苦い味。甘みは黒糖が入っているような。
白きくらげはキノコの仲間。潤いを与えてくれる食材で、喉を潤し咳を止め、美肌効果があるといわれています。
・・・この食感、好きかも。
これで次の日は、お肌プルプル・・・になるといいな。
でも、効果を引き出すにはスマホをしまって早く寝ないといけないですね。養生、やっぱり大事です。
※ここでいう「血」「腎」「肝」「脾」は、中医学(漢方)の考え方で、西洋医学でいわれる「血液」「腎臓」「肝臓」「脾臓」と同じではありません。興味のある方はこちら↓をご覧ください。
中医学 事始め③ 〜人の身体は気・血・水で動いている?(気血水弁証)〜
中医学 事始め④ ~西洋医学の解剖図がなじんだ頭に、東洋医学の五臓六腑がしみわたるまで~
コメント
いいですね~~(*^^)v
今度、奈良に行く時に行ってみたい!って思ったら、日曜日はお休みなんですね。。。残念”(-“”-)”
ありがとうございます!調べてくださったのですね。(^o^)そう、日曜日はお休みでm(_ _)m、私達はシフト休みの平日に行きました。
また行きたいお店です。