風邪かも!そんな時どうする?…病院に駆け込む前にできること

薬局から

風邪かも!
そんな時、どうしますか?

「風邪気味なので、早めに診てもらいました。その方が安心だし。」と来られる患者さん。
結構多いです。
確かに、症状が酷くなる前に薬をのんだ方が改善されやすいです。

でも、「早め」っていつ?
「あれ?」と自分の身体の異変に気づいてから受診するまでの時間は??

風邪の初期では、受診して貰う薬もドラッグストアなどで購入できる薬も、成分としては大差ないです。
「早め」なら、救急箱に常備が良いかも…。 

そして、どんな薬を使っても、風邪を治すのは自身の治癒力です。
薬は、その手助けをしているに過ぎません。

コロナ禍のあの頃、風邪症状で不安なのに受診を断られ、それでも数日で回復した経験のある方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

受診する前に、薬を飲む前に、出来ることがあります。
その為には、自分の身体の状態を観察することが大事です。

漢方の観点から、風邪は「青い風邪」と「赤い風邪」に分けられます。

●ゾクゾク寒気・水洟・薄い痰・手足が冷たい・頭痛・首筋や肩の凝り・関節や筋肉の痛み・尿は無色透明で量は多い…のだったら、寒証の「青い風邪」かもしれません

●熱っぽい・喉が腫れて痛い・黄色く粘った鼻水や痰・喉が渇く・冷たいものが欲しい・尿の色が濃い…のだったら、熱証の「赤い風邪」かもしれません

身体の観察でタイプ別にした後は、それぞれの対策・養生を。

●「青い風邪かも」…の時は、すかさず葛根湯かっこんとうを。スピードが大事なので、救急箱に備えておくと良いでしょう。おかしいと思って、受診の後に葛根湯をもらうようでは遅いかも。その時点では、別の漢方薬が必要なフェーズになっている可能性があります。
そして、身体を温める食事をとります。うどん・ネギ・生姜がおすすめです。
その後、汗をかいたら着替えをして、汗で冷えぬようにします。この時点で葛根湯は中止です。
葛根湯については、こちらの記事(「我が家のクスリ箱⑤ 葛根湯の使い方」)をお読みください。

●「赤い風邪かも」…の時は、銀翹散ぎんぎょうさんを。こちらは、ドラッグストア等で購入できます。葛根湯と共に、救急箱に常備を。
食事には、身体の熱を冷ます食材を選びます。ミント茶・蓮根・トマトがおすすめです。
乾燥にも注意し、喉に潤いを与えることが大切です。蜂蜜を使うと良いでしょう。
銀翹散については、こちらの記事(「我が家のクスリ箱③ 銀翹散・桔梗湯の使い方」)をお読みください。

青(寒)でも赤(熱)でも大事なケアは、とにかく寝ることです。
休息は一番の薬です。せめて、いつもより1時間早くベッドへ…。

身体の状態に合ったケアと救急箱の薬で多くの場合は回復に向かいます。
ですが、場合によっては受診が必要なことも。

こじらせてしまった風邪は、医師による処方が必要な薬を使った方が楽になりやすいこともあります。
●関節痛を伴う高熱(インフルエンザの可能性あり。)
●強い喉の痛みで飲食できない(扁桃腺炎や溶連菌感染症の可能性あり。飲食できないと脱水症の恐れも。)
●症状が3日以上続き、悪化している
…こんな時は病院へ。

セルフケアか受診か。
自分を知り、正しく労わり、健やかな毎日を。

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