漢方薬は本当に効く?効かない? 〜「効かない!」と言われてしまう原因を考えてみた〜

漢方

「漢方薬なんて効かない!」
残念ながら、よく耳にします。
本当にそうでしょうか?

薬剤師となり、薬と関わるようになって約30年(!)、この間で多くの薬や治療法が消えていきました。
対して、漢方薬の歴史は4000年です。 
「効かない」・「気休め」であるなら、ここまで受け継がれていくものでしょうか。

なのに、何故「効かない!」のか。
今回は、その原因を考えてみましょう。

原因①…そもそも「証」が違う

本来、漢方薬は「証」(患者さんの体質や症状)により選択されます。病名で用いられるものではありません。「証」は西洋医学とは違った視点で判定しますので、病名だけで漢方薬を選択すると「証」を誤ってしまう場合があります。

例えば、半夏瀉心湯はんげしゃしんとうには「口内炎」の適応があります。
半夏瀉心湯は、食生活の乱れ等で胃に熱が生じて機能低下を引き起こす「胃熱いねつ」の状態に用いられます。よって、「胃熱」が原因の口内炎には良く効きます。
ですが、身体の水分・潤い不足(陰虚いんきょ)や気(≒エネルギー)の不足(気虚ききょ)からも口内炎は起きます。
陰虚や気虚の口内炎に半夏瀉心湯を用いても、口内炎は治りません。乾燥させる傾向にある半夏瀉心湯を陰虚の口内炎に用いれば、ますます水分・潤いが減り、悪化する恐れさえあります。

このように、証を見誤れば不適切な漢方薬を選んでしまうことになり、効果は期待できません。
極端な例えですが、花粉症で下痢止めを飲んでも鼻水は止まらないのと同じです。

原因②…そもそも服用できていない

漢方薬は「食前服用」や「食間服用」と指示されることが多いです。
「食前服用」は、漢方薬に限らず飲み忘れの多い服用時点です。
「食間服用」(食後2時間)は更に厄介です。

「飲み忘れた!次から飲もう。」を繰り返し、気づけば殆んど飲めていないということも珍しくないです。
飲めていなければ効くはずはありません。

漢方薬の食前/食間服用については賛否両論で、ケースバイケースではありますが「飲まないよりはいいから、食後でもいいですよ。」とお伝えすることが多いです。

原因③…そもそも効いていることに気づいていない

「全然効いてないわよ。」
「痛くて眠れない(前回に伺っていた話)のが続いて、お辛かったですね。」
「あら、それはもうないのよ。」
…それって、効いてるのでは?

漢方薬は、その人にとって「丁度よい」体調にバランスをとってくれるものです。
効果を実感して漢方薬の大ファンになってくださる方もいらっしゃれば、穏やかに効いて「そういえば…」という方も多いです。
「止めてしばらくしたら、調子が悪くなった。効いていたんだね。」と仰る方もいらっしゃいます。

どれが正解…という訳ではないのですが、個人的には自分の身体の声に耳を傾け、体調の変化に気づけるのが一番良いかなと思うます。

まとめ

漢方薬が「効かない!」と言われてしまう原因について考えてみました。

原因①・・・「証」が違う 
原因②・・・服用できていない
原因③・・・そもそも効いていることに気づいていない

漢方薬を正しく使って、健やかな毎日を…。

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