新学期と学校薬剤師

学校薬剤師

新学期が始まりました。ワクワク・ドキドキの新一年生、今年が最後でキリッとする最終学年生…色々な思いを胸に子供達は登校・登園していると思います。

学校薬剤師も4月に入ると、一年間の検査の日程の段取りをします。
今回は学校薬剤師の一年間をみていきましょう。

学校薬剤師の仕事は?

新学期が始まると、学校で医師や歯科医師が検診を行っています。
実は、薬剤師も学校に出向いています。

学校保健安全法という法律において、大学以外の学校(幼稚園も含む)に学校医・学校歯科医・学校薬剤師を置くこととされています。

学校薬剤師は子供達が安心・安全な学校生活をおくれるよう、プール検査・空気検査・照度(明るさ)検査等の学校環境衛生検査を行います。
最近では、お薬教室や薬物乱用防止教室を行う事もあります。

学校薬剤師の主な業務をあげていきましょう。

水道水・水道設備検査

学校の環境衛生試験の一つに飲料水検査があります。
学校によって給水設備は様々です。それぞれに応じた点検・検査を行います。
詳しくは…こちら(学校のお水…学校薬剤師は飲料水の検査をします)を。

照度検査

照度=明るさの検査です。年に2回、行います。
暗過ぎる所・明る過ぎる所では、眼精疲労を引き起こします。適切な明るさの中で、子供達が勉強できているかチェックします。
詳しくは…こちら(曇天は検査日和?〜照度検査に行ってきました〜)を。

保健室・理科室検査

元々学校薬剤師は、学校内での薬剤の誤用により児童が死亡するという痛ましい事故から薬品類の使用や保管を管理するようになったのが始まりです。その経緯からも保健室と関わりが深いといえます。
ただし、現在では保健室に備蓄している薬剤は限られています。
詳しくは…こちら(学校薬剤師と保健室…学校で薬を使うということ)を。

理科室も保健室と同様、学校の中で管理すべき薬品が多い場所です。
盗難や紛失、事故防止のための管理についてお伝えしています。
詳しくは…こちら(学校薬剤師と理科室~薬剤師が身近な科学者であるために~)を。

給食設備検査

「学校給食法」で定めることとされている「学校給食衛生基準」には、「衛生管理上の問題がある場合には、学校医又は学校薬剤師の協力を得て速やかに改善措置を図ること」「学校薬剤師の協力を得て、定期に検査を行うこと」と明記されています。
詳しくは…こちら(学校薬剤師と給食…学校薬剤師は給食調理室にもお邪魔します)を。

空気検査

子供達が安心・安全に過ごせるよう、教室の環境には基準があります。
学校の空気検査は年に2回、夏季と冬季に行います。
詳しくは…こちら(学校の空気〜学校薬剤師は空気検査も行います〜)とこちら(学校薬剤師が行う空気検査…冬場に気をつけたいことは)を。

プール水質検査

プールの水質検査や設備点検も学校薬剤師の仕事の一つです。
楽しい授業の一つであるプールが事故や感染症の原因とならぬよう、適切な情報をお伝えしていきます。
詳しくは…こちら(学校のプール)を。

ダニ・ダニアレルゲン検査

ダニアレルゲンとは、アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)である生きているダニ(主に居住環境から検出されるチリダニ科のダニ)とその死骸や糞の総称です。
毎年1回、温度と湿度の高い時期に行います。地域差がありますが、7~9月に行われることが多いようです。
詳しくは…こちら(学校とアレルギー~学校薬剤師はダニアレルゲン検査も行います~)を。

騒音検査

学習の妨害となる音の評価を行います。
通常は年に2回行いますが、「著しく基準を下回る場合は、以後教室等の内外の環境に変化が認められない限り、次回からの検査を省略することができる」とされており、不定期で行う場合も多いです。

その他 

学校保健安全法には「学校薬剤師は保健管理に関する専門的事理に関して技術および指導に従事する」とあります。
子ども達が医薬品や薬物に関する正しい知識をもち、生涯を通じて自らの健康を適切に管理していくための「お薬の教室」や「薬物乱用防止教室」に関わることも多くなってきました。
詳しくは…こちら(学校薬剤師と「お薬教室」…かけがえのない自分の命を大切にするために、子ども達に伝えたいこと)とこちら(学校薬剤師と薬物乱用防止教室)を。

まとめ

学校薬剤師の年間の活動をまとめてみました。
子供達が安心・安全な学校環境で正しいお薬の知識をもち、自分の身体を健康に保つ判断ができるよう、薬剤師は学校に赴きます。
病院や薬局で目にする薬剤師とは違う姿を知っていただけると嬉しいです。


コメント