しくじり漢方① ありがち失敗談 〜小青竜湯の副作用〜

漢方

「漢方が好き!」と言いながら、若い頃は雑多な知識を寄せ集める事しかできず、恥ずかしい失敗談は数知れず。
私に限らず、一般の医療従事者(医師も含め)は漢方を勉強する機会が、西洋医学に比べて圧倒的に少ないものです。なので、漢方家の方からすれば「えっ??」と思われるようなエピソードも数知れず。

そんな中から、今回は私の小青竜湯での失敗談をお話いたします。

漢方に携わる方なら、こんな話を一度は耳にされたのではないでしょうか
●エキス剤は煎じ薬に比べて“薄い”から多めの方が効きが良い。
●”1日3回分服”なら、等間隔よりも短めで服用した方が急性期には良い。(特に風邪)

とはいえ、患者さんには勿論のこと、親しい友人にも家族にも絶対おすすめできないと思っています。
ですが、自分は別。
抗アレルギー薬をのんでいても止まらない花粉症の鼻水…。能率だだ下がりです。
小青竜湯を間隔短めに3包のみました。(真似しないでください。)

結果…。鼻水はとまりました。
でも、何だか鼓動が…。

小青竜湯に含まれている“麻黄”という生薬の副作用です。
麻黄には交感神経を興奮させる作用があり、動悸・頻脈・不眠・血圧上昇などの副作用の恐れがあります。小児や高齢者、胃腸虚弱な方は特に注意が必要です。

…わかってはいます。でも、人に説明しながら一番甘く見ていたのは、他ならぬ私でした。
そして“良くならないから”と安易に薬を増やすのも、本当はちょっと違うかな…と、今では思います。
能率重視の時は、呑気な事を言ってられないのも事実ですが。

●水分の摂り過ぎに気をつける。
●冷たいもの・脂っこいものは避ける。
●軽く身体を動かす。
は、できていたのかな…と。
日頃の養生も大切ですね。

その頃のような失敗はなくなりましたが、漢方は奥が深く
「えっ?そうだったの…」
「知らなかった…」
ということは今だに沢山あります。

無知を知り、恥じる日々…。
学びは生涯続きます。

明日死ぬかのように生きよ。 永遠に生きるかのように学べ。
…マハトマ・ガンディー

小青竜湯や花粉症については「花粉症に漢方ができること〜生活の質を下げない工夫は?〜」をお読みください。

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